ChatGPTで自分のパーソナルカラーを診断する流れが、世界中で広がっています。TikTokやThreadsには「写真をアップしただけでサマーって言われた」「秋っぽくないのに秋判定だった」と、結果がはっきりわかれた投稿が並びます。国際イメージコンサルタントとして1,000人以上を診断してきた立場でいくつもの結果を見ていると、AIの精度を分けているのは、実は写真の撮り方とプロンプトの設計の二点だと感じます。
この記事では、私が普段プロ診断で見ているポイントを翻訳するかたちで、ChatGPT診断の精度をもう一段プロに近づけるための「写真の整え方」と「ドレープ・シミュレーション式のプロンプト」を、そのまま使える形でまとめました。サロン診断の前に自分でもあたりをつけたい方、AIの結果を信じていいか不安な方の参考になれば嬉しいです。
井上亜紀私もはじめてChatGPT診断を試したとき、思ったより方向性が合っていてびっくりしたんですよ。ただ「光と背景を変えた写真」で同じ質問をしたら、別のシーズンが返ってきたんです。AIの精度って、結局はこちらの整え方なんだなって痛感しました。
AI診断の結果がブレる4つの理由
プロのドレープ診断は、布を一枚ずつあてて肌の透明感や口元の影を生身の目で確認します。ChatGPTは画像から色情報を読み取って判断するため、入力された写真の状態に強く左右されます。結果がブレるとき、その原因はだいたい次の4つに集約されます。
- 光のいたずら:蛍光灯やLEDの黄み、夕方のオレンジ光が肌の見え方を歪める
- メイクの干渉:ファンデーションの色で肌の本来のベースが隠れ、ブルベなのにイエベ判定が出る
- 染髪と背景:染めた髪色から「秋」と推測されたり、柄物の背景に色が引っ張られたりする
- 近接シーズンの混同:ソフトオータム vs ウォームスプリング、クールサマー vs クールウィンターなど、隣のシーズンとの違いをAIは詰めきれない
Newsweekに登場するイギリスのカラーアナリストJules Standish氏も、「メイクをしたまま、染髪のまま、背景に色がある状態では正確な分析はできない」と指摘しています。裏を返すと、これらの条件を整えれば、AIの精度はぐっと上がるということでもあります。
写真の整え方、6つのチェック
プロのドレープ診断と同じで、ChatGPTに渡す写真にも「正解の撮り方」があります。難しい機材は要りません。スマートフォンのカメラと窓ぎわの自然光があれば十分です。次の6つを満たした写真にすると、AIの判断材料が一気に整います。

井上亜紀実はここが一番大事なんです、プロンプトより先に写真。プロのドレープ診断でも、最初の30分は照明と環境を整える時間に使うんですよ。
1. 自然光で撮る
午前中〜お昼、北向きの窓ぎわが最適です。蛍光灯や白色LEDの下では肌に黄みが乗り、本来のアンダートーンが隠れます。曇りの日のやわらかい光は、ドレープ診断のスタンダード照明にいちばん近い光です。
2. ノーメイク、または肌が透けるベースだけ
ファンデーションを塗った状態だと、肌の色情報が完全に上書きされます。クレンジング後の素肌か、薄い日焼け止めだけで撮ってください。口紅とチークも、この一枚のためだけに落とす価値があります。
3. 無地の壁を背景にする
白〜ベージュの無地の壁が理想です。柄物の壁紙やカラフルなカーテンを背景にすると、AIはそこから色情報を拾ってしまいます。白い壁がなければ、白いタオルを肩から下に巻くだけでも代用できます。
4. 染めた髪は、自然な髪色をテキストで補足する
ヘアカラーは判定を大きく変えてしまう要素です。染めている方は写真と一緒に「地毛は黒に近いダークブラウンです」と一文添えると、AIは髪色を判断材料から減らしてくれます。
5. 正面と斜め、最低2枚を用意する
1枚だけだと光のムラを拾いきれません。正面・斜め45度・少し上から、の3アングルがあると、AIは複数の情報源から平均的な判定をしてくれます。「複数枚を見比べて整合性のある判定を返してください」と指示するだけでも、ブレが減ります。
6. 送信前にデータ学習をオフにする
顔写真をChatGPTに送るのは、個人情報を1枚アップするのと同じことです。ChatGPTの設定 → 「データコントロール」→ 「すべての人のためにモデルを改善する」を必ずオフにしてから使ってください。プロのサロンと同じく、診断には信頼できる相手を選んでほしいなと思います。

プロンプトはドレープ・シミュレーション式に
ここから本題のプロンプトです。「私のパーソナルカラーは何ですか?」と聞くだけのシンプルな問いだと、ChatGPTはベースカラー(イエベ/ブルベ)の判定にとどまったり、4シーズンを直感で当てに行ったりします。精度を上げる定石は、布をあてる工程そのものをAIに再現させること。これがいまの英語圏で「もっともプロ診断に近い」とされているDYT 4タイプ・ドレープ・シミュレーション方式です。

DYT(Dressing Your Truth)は、四季別の細分類ではなく、「明るい/やわらかい/深い/はっきり」という4つの大枠で似合う色をまとめる体系です。ChatGPTのGPT Image 2モデルでは、この4タイプの色を肩から下のドレープに見立てて1枚の比較画像にまとめさせると、人間が肌の透明感を比較しやすい形で出力してくれます。
井上亜紀DYTって聞きなれないですよね、四季別と違う分類でちょっと身構えるかも。でも実は4分類のシンプルな枠組みなんです。4シーズン分類の感覚で言うと、Type 1 ≒ スプリング、Type 2 ≒ サマー、Type 3 ≒ オータム、Type 4 ≒ ウィンターに近いと考えてもらってOKですよ。
そのままコピペで使える日本語プロンプト
整えた写真をアップロードしたうえで、次のプロンプトをChatGPTに貼ってください。GPT Image 2が使えるプランで動きます。
あなたはプロのパーソナルカラーアナリストです。アップロードした写真を使って、
ドレープ診断のシミュレーション画像を生成してください。
【手順】
私の顔の特徴・髪・瞳の色をそのまま保ち、肩から下の襟元に下記4タイプのドレープを
重ねた画像を、1枚の中に2×2グリッドで並べて生成してください。
髪色は変えず、メイクは各タイプの典型的なナチュラルメイクに置き換えてかまいません。
Type 1(明るく軽やか・ウォーム):コーラル、ピーチ、ターコイズ、ライトイエロー
Type 2(やわらかく涼やか・クール):ダスティローズ、ラベンダー、セージ、ブルーグレー
Type 3(深く温かい・ウォーム):ラスト、マスタード、オリーブ、キャメル
Type 4(はっきり涼やか・クール):エメラルド、サファイア、ロイヤルパープル、フューシャ、トゥルーレッド、ブラック
【判定基準】
1. 肌が最も明るく、透明感が出るタイプ
2. 目元のクマや影が一番薄く見えるタイプ
3. フェイスラインの輪郭がぼやけず、すっきり見えるタイプ
の3点でランク付けしたうえで、最も似合うタイプと、その次に近いセカンドタイプを
理由とあわせて教えてください。
ポイントは3つあります。1つ目は、ドレープを「肩から下に重ねさせる」と明示すること。顔の真横に色を置くより、首元〜デコルテにかかる位置のほうが、肌のトーン変化を見比べやすくなります。2つ目は、判定基準として「明るさ・影の薄さ・輪郭のすっきり感」の3点を渡すこと。プロのドレープ診断で実際に見ている観察ポイントと同じです。3つ目は、必ずセカンドタイプも答えさせること。本人が境界線上にいる場合、第二候補を一緒に見ることで判定の確からしさが格段にわかりやすくなります。
出力された結果をプロはこう読む
プロンプトで返ってきた4タイプ比較画像を、私たちプロはどう読むか。見るべきポイントは、AIが文章で書いた結論ではなく、4つの画像のうちで肌が一段明るく、透明感が出ているのはどれか、自分の目で確かめることです。
井上亜紀肌が一段明るく見える色を探す、これがドレープ診断の本質ですよ。似合う色は「肌が呼吸する色」、似合わない色は「肌が黙る色」と覚えていただければと思います。
ベストタイプの見極め方
- 目の下のクマや、口角の影が薄くなる色 → 似合っているサイン
- 肌のキメがディテールまで見えるくらい透明感が出る色 → 似合っているサイン
- 顔の輪郭がぼやけず、フェイスラインがすっきり締まって見える色 → 似合っているサイン
- 逆に、肌が黄ぐすみする・赤みが強く出る・顔の影が深くなる色 → 似合わないサイン
ChatGPTがいまでも間違いやすいポイント
AIは、近接タイプの判定がいまだに苦手です。Type 1(明るく軽やか)とType 2(やわらかく涼やか)の境界、Type 3(深く温かい)とType 4(はっきり涼やか)の境界はとくに揺れやすいところ。サロンに来られる方を見ていても、AIで「Type 1」と出た方の半数くらいは実際にドレープを当てるとType 2寄りだったりします。セカンドタイプとして示された色も「もう一つの可能性」として温存してほしいのは、こうした理由からです。
ChatGPT診断とサロン診断の上手な使い分け
AI診断とプロ診断は、対立する道具ではありません。得意な領域がはっきり違うので、役割を分けて両方を使うのがいちばんコスパよく似合いを掘り下げる方法です。

ChatGPTが得意なのは、第一感を出すこと、買い物の前にあたりをつけること、そして気軽にもう一度試せること。サロン診断が圧倒的に強いのは、生身の目で肌の微細な変化を捉えること、ドレープで結論を確定させること、そして似合う色を「服のシルエット・髪型・メイク」と紐づけて提案すること。ChatGPTで方向性をつかんでからサロンに来ていただくと、診断時間も短くなり、提案の解像度も上がります。
まとめ
井上亜紀最後はやっぱり、自分の目で確かめる時間も大切にしてみてくださいね。鏡の前で「あ、今日の私、なんかいいかも」と思えた色は、それだけで十分プロ診断級なんです。
ChatGPTのパーソナルカラー診断は、「使えない」と切り捨てるツールではありません。ただ、写真とプロンプトを整えないまま使うと、結果がブレて落ち込んでしまうのも事実です。今日の記事で紹介した6つの撮影チェックと、DYT 4タイプ・ドレープ・シミュレーションのプロンプトを使えば、プロ診断にぐっと近い結果がご自宅で得られるはずです。
AIで方向性をつかみ、最後は鏡の前で確かめ、迷いが残ったらサロンで確定させる。この三段構えがいまの一番賢い使い方だと思います。週末に家の窓ぎわで、5分だけ試してみてくださいね。「自分はこっちの方向の人だったんだ」と腹落ちした瞬間、今までクローゼットの隅にあった服が突然、相棒みたいに見えてくるはずです。
サロン診断の前に、もう少し自分の輪郭をつかんでおきたい方は、「プロに行く前に知っておきたい、パーソナルカラー&骨格のセルフ診断」もあわせて読んでみてください。
プロの診断を体験しませんか?
パーソナルカラー・骨格・顔タイプの3大診断で、あなただけの「似合う」を見つけます


コメント